土色のブルース
目と目が合った瞬間
ただならぬ存在感でそこに座っていたのは
飛騨高山の左官職人
挟土秀平さん
瞼の下の深い隈から想像させられる
壮絶な人生の色
どれだけしょっぱい涙をかじったのだろう
画廊に並べられた 土と自然との調和 生粋
自由で
陰を描いているようで
優しかった
温かみがあった
そしてすごく自然だった
これまでにない哀愁と人間の味を
生で感じた
俗世間を生き抜き闘い続け
今尚己を掘り続ける
挟土さんの職人としての在りかたに
感動した
親父の後姿が交差し
あの時の記憶が鮮明に描かれた
言葉を交わさなくとも伝わる匂い
何年ぶりだろう
こんな人に出会ったのは
熱い情熱が胸をこみあげてくる
嬉しかった